結論
福祉職から一般企業への転職は可能です。ただし「福祉がつらいから、とにかく違う仕事へ」と職種も会社も曖昧なまま選ぶと、私のように別の悩みを抱える可能性があります。福祉で身につけた力を棚卸しし、辞めたい理由と次の職場で叶えたい条件を分けて考えることが大切です。
「福祉の仕事を辞めたい。でも、福祉しか経験がない自分が一般企業へ行けるのだろうか」
私も精神科病院のソーシャルワーカーとして働きながら、ずっと同じ不安を感じていました。福祉系大学を卒業し、社会福祉士と精神保健福祉士を取得して就職したため、「せっかく資格を取ったのに」「異業種では評価されないのでは」と迷ったからです。
その後、一般企業へ転職して、事務だけでなくWebサイト運用、輸入業務、在庫管理、入荷作業、パッケージ・カタログ制作まで経験しました。さらに、もう一度転職し、未経験からIT企業へ進みました。
この記事では、福祉職から一般企業へ転職した実体験をもとに、活かせるスキル、向いている仕事、失敗しない求人の選び方を正直に解説します。
本記事はプロモーションを含みます。
福祉職から一般企業への転職はできる
結論から言えば、福祉職から一般企業への転職はできます。私自身、精神科病院から業種の異なる一般企業へ転職できました。
ただし、採用担当者が「相談援助」「ケースワーク」といった福祉業界の言葉を、そのまま評価してくれるとは限りません。大切なのは、福祉の経験を一般企業でも伝わる言葉へ翻訳することです。
| 福祉職での経験 | 一般企業で伝わるスキル |
| 患者・家族への聞き取り | 相手の要望や課題を整理するヒアリング力 |
| 医師・看護師・行政との連携 | 立場の異なる関係者との調整力 |
| 支援記録・報告書の作成 | 情報を正確かつ簡潔にまとめる文書作成力 |
| 制度・サービスの案内 | 複雑な情報を相手に合わせて説明する力 |
| 急な相談や予定変更への対応 | 優先順位を判断しながら進める対応力 |
| 個人情報の取り扱い | 守秘義務と情報管理への意識 |
「福祉しかしていない」ではなく、「誰に、何を、どのように対応し、どんな結果につなげたか」まで説明すると、異業種でも強みが伝わりやすくなります。
私が福祉職を辞めたかった理由
私は大学3年生の実習時点から、福祉の仕事に対して「なんか違う」という感覚を持っていました。それでも、大学で学んだ分野だからと精神科病院へ就職しました。
働き始めると、福祉的に正しいとされる支援者像と、自分自身の考え方との違いがさらに気になるようになりました。本心では思っていない対応を演じているようで、「嘘をついている」と感じることもありました。
ここで伝えたいのは、福祉職が悪い仕事だということではありません。人の生活に深く関わり、支援そのものに価値を感じられる人には大きなやりがいがあります。一方で私は、人の感情を中心に支援し続ける仕事より、仕組みを整えたり、目に見える成果物を作ったりする仕事のほうが自分に合っているように思いました。
振り返り
「仕事がつらい」の原因が、職場だけにあるのか、福祉という仕事内容そのものにあるのかで、選ぶべき転職先は変わります。職場だけが原因なら、同職種で環境を変える選択もあります。
福祉職から一般企業へ転職するときの主な選択肢
一般事務・営業事務
記録作成、電話対応、関係機関との日程調整をしてきた人は、事務職との共通点があります。正確さや優先順位の判断が得意な人に向いています。
ただし、「事務なら楽そう」「未経験でも受かりそう」という理由だけで選ぶのは危険です。企業によって業務範囲や給与、忙しさが大きく異なり、事務として入社しても別業務を広く任されることがあります。私も事務職として応募しましたが、実際にはマーケティング部へ配属されまし、給与も福祉職の時より下がってしまったので失敗したな・・・と思いました(笑)
カスタマーサポート・顧客対応
相手の話を聞き、困りごとを整理し、必要な情報を案内する力が活かせます。相談援助で培ったコミュニケーション力を企業向けの言葉に変換しやすい仕事です。
一方、感情的な対応そのものに疲れて福祉職を辞めたい人は、同じ負担を感じる可能性があります。「人と話すのが得意」と「人の感情を受け止め続けられる」は別の適性として考えましょう。
人事・採用・労務
面談、制度説明、記録管理、関係者調整の経験を活かしやすい分野です。人の成長や組織づくりに関心がある人と相性があります。
未経験求人は多くないため、採用アシスタントや労務事務など、これまでの経験と接点がある入口から検討すると現実的です。
営業・カスタマーサクセス
相手の状況を聞き、課題に合う提案を組み立てる仕事です。押しの強さだけではなく、傾聴力や信頼関係づくりが評価される職場もあります。
数字の目標に強い抵抗がある人には向かない可能性がありますが、「支援の成果が見えにくいこと」にモヤモヤしていた人には、目標が明確な働き方が合う場合があります。
Web運用・マーケティング
文章作成、情報発信、数値の振り返り、制作物に興味がある人向けです。私は一般企業でホームページ運用、パッケージやカタログ制作などを経験し、福祉職とは違う「成果物が残る仕事」の楽しさを知りました。
未経験採用では、自主的に学んだことや制作物を見せられると強みになります。ブログ運営やSNS、資格学習なども、取り組み方を説明できれば行動力の証拠になります。
ITサポート・ITエンジニア
手順を整理すること、原因を切り分けること、分からないことを学び続けることが苦にならない人に向いています。私は1回目の転職で、経験したホームページ運用などをきっかけにITへの興味を深め、未経験からIT企業へ転職しました。
ただし、未経験IT求人には、入社後の業務内容や研修条件が分かりにくいものもあります。SESの場合は配属先が変わる働き方もあるため、雇用形態、研修時間、待機中の給与、案件の決まり方まで確認が必要です。
| 向いている方向 | こんな人に合いやすい | 注意点 |
| 事務 | 正確さ・調整・記録が得意 | 給与と実際の業務範囲を確認 |
| 顧客対応 | 聞く・説明する力を活かしたい | 感情対応の負担が残ることも |
| 人事・労務 | 人と制度の両方に関心がある | 未経験求人の入口が限られる |
| 営業 | 課題を聞き提案することが好き | 数値目標との相性を確認 |
| Web・マーケ | 文章・制作・分析が好き | 自主学習や実績づくりが必要 |
| IT | 構造理解・問題解決・学習が好き | 求人・研修・配属条件の確認が重要 |
私の1回目の異業種転職が失敗した理由
最初の転職では、一般企業の事務職を選びました。しかし、仕事内容だけでなく会社選びの部分で大きく失敗しました。
具体的な失敗は以下の通り
- 自分の能力を低く見積もり、挑戦したい仕事を最初から諦めた
- 家から近いことと「ここなら受かりそう」という安心感を優先した
- 給与の低さを十分に比較しなかった
- 離職率や人の入れ替わりを確認しなかった
- 一つの求人経路だけで会社を探し、比較する母数が少なかった
入社後は仕事内容自体には面白さを感じましたが、想像以上に給与が低く、経営者のパワハラ的・モラルに欠ける言動にも悩みました。私が在籍した約1年間だけでも7人が退職しており、以前から人の入れ替わりが多い会社でした。
「福祉から抜け出せれば成功」ではありません。異業種転職では職種選びに意識が向きがちですが、会社の体質、給与、定着率、評価制度も同じくらい重要です。
▶ 福祉職からの転職で失敗した話|ハローワークだけ、はやめとけ
失敗しないために整理したい6つのこと
福祉職を辞めたい理由を「仕事内容」「職場」「待遇」に分ける
たとえば、人間関係だけが原因なら福祉職を続けながら職場を変える方法があります。支援そのものが合わないなら、異業種を検討する意味が大きくなります。
次の仕事で残したい要素を決める
人と関わること、社会貢献性、安定性、資格を活かすことなど、福祉職のすべてを捨てる必要はありません。残したい部分と手放したい部分を分けます。
福祉経験を一般企業の言葉へ翻訳する
「相談支援を担当」だけで終わらず、対象者数、関係者、工夫、結果まで説明します。私は精神科病院で年200名以上の問診・生活相談に対応した経験を、ヒアリング、状況整理、関係者調整の実績として表現できます。
あなたの経歴を対応件数や担当人数など数値も明確にしたうえで整理してみてください。
そして、その経歴を一般企業の言葉に変換してどのように表現できるか考えてみましょう。
希望条件に最低ラインを設定する
給与、休日、通勤時間、残業、転勤、働き方などに「これ以下なら応募しない」という基準を作ります。受かることを優先しすぎると、入社後の生活が苦しくなります。
福祉職から一般職に行けるのか、受かるだろうかという不安は私も経験してきたので、良くわかります。でも妥協しないでください。せっかく転職するならもっと上を目指していきましょう✨
求人経路を一つに絞らない
求人サイト、企業の採用ページ、転職エージェントなどを併用し、同じ職種でも複数社を比較します。求人票だけで分からない点は面接で確認します。
転職エージェントの利用は特におすすめしています。自分の経歴や方向性の整理と、企業の情報収集が効率的に行えるからです。
また、転職エージェントを使用するメリットの一つに、エージェント経由で会社の内情や福利厚生を確認できる点があります。面接では聞きにくいこともエージェントに相談すれば情報を持っていることもありますし、上手く聞き出してくれることもあります。
退職者が多いサインを確認する
同じ求人が長期間掲載されている、面接で入社を急かされる、業務範囲が曖昧、給与の説明が不明確といった点には注意します。離職率を直接聞きにくければ、「配属部署の人数」「直近の採用理由」「入社後に任せる業務」を質問すると実態を想像しやすくなります。
自分に向く仕事が分からないときは、第三者に整理してもらう
福祉職しか経験がないと、自分のスキルを低く見積もりやすくなります。私も最初の転職では「一般企業で通用するものがない」と考え、受かりやすさを優先しました。
しかし、2回目の転職では転職エージェントを複数利用し、経歴の伝え方や求人の違いを比較しました。最終的にIT分野に詳しいエージェントとつながり、未経験からIT企業へ転職できました。
エージェントを利用する中で、経歴をポジティブな方に言い換えるコツや、自分自身のスキルに気づくことが出来ました。家族や友人に整理してもらうのもいいですが、私の場合は照れや、遠慮が入ってしまうので、エージェント利用があっていました。
また、一度転職に失敗して気が付いたのですが、福祉職を経験していることはかなり武器になります。
福祉ってがっつり対人のお仕事ですよね?クライエントがいて、その家族がいて、その関係者がいて・・・と。クライエントを取り巻く人々の間に立ち、日々クライエントを生活を支えています。福祉職で経験してきたことって実はとてもすごいことだと思います。
「スキルがない」と思っている方、逆です。
あなたの日々の経験は、「対人スキル」「コミュニケーション能力」「調整力」「臨機応変な対応力」などに変換でき、それは一般企業でも大いに通用する武器だと思いませんか?
おすすめ転職エージェントサイト
ここまでの内容で、転職エージェントの利用をおすすめしてきたので、実際にのサイトを2つご紹介しておきます。
サクキャリマッチ|方向性そのものを整理したい人向け
公式サイトによると、サクキャリマッチは1回60分・オンライン完結の無料相談で、求人だけでなく、転職サービス、副業、独立なども含めて選択肢を整理するサービスです。
「一般企業へ行きたいが職種を決めきれない」「転職すべきかも分からない」という段階の人に検討しやすいでしょう。

type女性の転職エージェント|首都圏で女性向け支援を受けたい人
type女性の転職エージェントは、女性の転職支援に特化し、求人紹介、応募書類、面接、条件交渉を無料でサポートしています。公式サイトでは、事務、営業、販売・サービス、管理・マーケティング、ITなど複数職種を扱っています。結婚や出産など今後の働き方も含めて相談したい女性に向いています。
type女性の転職Agent 公式サイトよくある質問
資格を捨てることになりませんか?
一般企業へ転職しても、取得した資格や経験が消えるわけではありません。福祉へ戻る選択肢を残しながら、別の業界で経験を増やすこともできます。資格を使い続けることだけが、勉強した時間を活かす方法ではないと私は考えています。
未経験なら事務職が一番無難ですか?
一概には言えません。事務職は共通点が多い一方、求人倍率、給与、業務範囲は会社によって違います。「受かりやすそう」ではなく、自分の得意なことと希望条件が合うかで判断しましょう。
転職先を決めてから辞めるべきですか?
生活費や心身の状態によります。在職中のほうが収入面では安心ですが、体調を崩している場合は安全を優先する必要があります。退職時期に正解が一つあるわけではないため、貯蓄、失業給付、家族の支援、転職活動に使える時間を整理して判断してください。
福祉職の経験を面接でどう説明しますか?
相談件数、対象者、連携した職種、自分が工夫したことを具体的に伝えます。「傾聴できます」だけではなく、「複数の関係者から情報を集め、状況を整理して支援方針を調整した」のように、応募先でも再現できる行動として説明します。
まとめ:福祉を辞めることより、次の仕事で何を叶えるかを決める
福祉職から一般企業への転職は可能です。相談援助で培ったヒアリング力、調整力、文書作成力、説明力は、一般企業でも活かせます。
ただし、異業種へ移れば自動的に働きやすくなるわけではありません。私の1回目の転職のように、自分を低く見積もり、受かりやすさだけで会社を選ぶと、給与や職場環境で後悔する可能性があります。
まずは、福祉職の何が合わなかったのか、反対にどんな力は今後も使いたいのかを言葉にしてみてください。そのうえで複数の職種と会社を比較すれば、「福祉から逃げる転職」ではなく、「自分に合う働き方へ進む転職」に変えられます。


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